崩壊した仮想通貨取引所のトップに懲役1万年の判決が下る、検察は4万年を求刑
トルコの国営メディアであるアナドル通信社は2023年9月7日に、記事作成時点で29歳のFaruk Fatih Özerとその兄弟であるGüvenとSerapに、それぞれ懲役1万1196年の懲役刑と1億3500万リラ(約7億3600万円)の罰金刑が言い渡されたと報じました。
Thodexは、2017年にKoineksとしてトルコで設立され、2020年3月に社名を現行のものに変更した仮想通貨取引所です。当時、トルコリラの下落と激しいインフレに見舞われていたトルコでは仮想通貨が財産を守る方法として注目されており、Thodexはその流れに乗ってトルコの大手仮想通貨取引所のひとつになりました。しかし、2021年4月に突然サイトがつながらなくなり、Özerら関係者も行方をくらましました。
伝えられるところによると、Thodexの閉鎖により自分の資金にアクセスできなくなったユーザーは40万人と推定されており、被害総額は20億ドル(約2928億4800万円)と見積もられたとのこと。
その後の捜査により、Özerは顧客から預かった2億5300万リラ(約13億7900万円)相当の資金を3つの秘密口座に送金し、アルバニアに逃亡していたことがわかりました。そして、国際刑事警察機構(インターポール)による国際逮捕手配書、通称「赤手配書」を受けたアルバニア当局により2022年8月に逮捕されました。
2023年4月にトルコに引き渡されたÖzerに対し、検察は「詐欺」「犯罪組織の設立」「犯罪による資金の洗浄」の罪で懲役4万462年の刑を求刑していたほか、この事件で立件ないし逮捕されていたÖzerの家族およびThodexの関係者ら20人もさまざまな容疑で訴追されました。
これに対し、Özerは「私は世界中のあらゆる組織を管理できるほど賢いです。このことは、私が22歳で設立した会社を見れば明らかです。もし私が犯罪組織を設立するとしたら、こんな素人じみた行動はとらないでしょう」と反論して、自分と自分の家族は無罪だと主張しました。
そして、アナドル第9裁判所で開かれた9月7日の審理で、21人中17人が無罪となり、証拠不十分で逮捕されていた7人のうち4人が釈放された一方、Özerらには前述の通り1万1196年の刑が言い渡され、無罪にならなかったそのほかの被告も有罪判決を受けました。
1万年もの刑期は度を超しているようにも思えますが、EUへの加盟を目指しているトルコは2004年に4刑を廃止しており、それ以降は重い犯罪に対して非常に長い刑期を言い渡すことが一般的になっているとのことです。
https://gigazine.net/news/20230911-11196-years-jail-turkish-crypto-exchange/